残留アルカリの正体とその対策

美容界ではよく耳にする「残留アルカリ」という言葉。

しかし、その意味や髪への影響を正確に理解している方は案外少ないかもしれません。

今日はこの「残留アルカリ」に焦点を当て、髪にとってなぜ良くないのか、そしてどうして発生するのかを解き明かしていきましょう。

まず、「残留アルカリ」とは何かから始めましょう。

これは、ヘアカラーやパーマなどの化学処理後に髪の毛に残るアルカリ性物質のことを指します。

一般的に、ヘアカラーやパーマなどの施術では、髪の毛のキューティクルを開いて色素や形状を変えるためにアルカリ性の化学薬品が使用されます。

理想的には処理後にこれらの薬品は完全に洗い流されるべきですが、実際にはすべてが洗い流されるわけではありません。これが残留アルカリの原因となります。

では、残留アルカリが髪にとってなぜ良くないのかを見ていきましょう。

アルカリ性物質が髪に残ることで、髪のpHバランスが崩れることが主な理由です。

髪も肌と同様に、わずかに酸性の状態が健康的です。しかし、残留アルカリは髪をアルカリ性に傾け、これが様々な問題を引き起こします。

たとえば、キューティクルが硬くなり、開いたままになることで、髪は乾燥しやすくなり、切れ毛や枝毛の原因となります。また、色落ちが早まることもあります。

それでは、残留アルカリの発生を最小限に抑えるにはどうすれば良いのでしょうか。

まず、化学処理を行う際は、できる限り質の高い製品を使用し、適切な手順を守ることが重要です。また、処理後には中和剤を使って髪のpHバランスを正常に戻すことが推奨されます。これにより、残留アルカリを中和し、髪の健康を守ることができます。

さらに、定期的なディープコンディショニングや髪に優しい低pHのシャンプーとコンディショナーの使用も、髪を保護し、残留アルカリの悪影響を最小限に抑えるのに役立ちます。

最近では、メテオカラー、メテオアルカリ酸熱トリートメント、ネオメテオ縮毛矯正のコンセプトは、この残留アルカリを残さない、施術前には前処理段階で残留アルカリ、残留酸、残留物質をきれいにリセットしてから薬剤を塗布という考え方になっています。

自宅でのケアも大切ですが、プロの美容師に定期的に髪の状態をチェックしてもらうことも、美しい髪を保つ秘訣です。

最後に、美髪を保つためには、安価な薬剤を使用しないようにし、しっかりと髪を守ることが重要です。

僕たち美容師も、残留アルカリの問題を理解し、適切な対策を講じることで、髪を健康に保ち、美しさを長持ちさせることができます。

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